「師子の信念」「負けじ魂」で王者の山を登りゆけ!

苦しい試練の日々を越えて、晴れ晴れと「栄光の日」、誠におめでとう! みんな、本当によく頑張り抜きました。
「負けない心」「負けじ魂」のわが学園生こそ、私の最大の誇りです。私は一人一人と固い固い心の握手を交わし、その頭に「勝利の栄冠」をかぶせて差し上げたい思いでいっぱいです。
歴史を学ぶと、古今東西、苦難の時に偉大な魂の人材が躍り出ています。14世紀初め、イタリアに誕生した桂冠詩人のペトラルカも、その一人です。
皆さん方と七百年の歳月を隔てた青年ペトラルカは、私が講演したボローニャ大学で勉学に励みました。ペスト(黒死病)という恐ろしい感染症が蔓延する危機の時代を生き抜いて、ルネサンスという文化の黄金時代を切り開いていったのです。
私の師匠・戸田城聖先生も私も好きな、この大詩人の言葉があります。
「運命はわたしを苦しめ、叩くことはできても、打ちのめすことはできません」(近藤恒一編訳『ペトラルカ=ボッカッチョ往復書簡』岩波文庫)というのであります。
そして、ペトラルカは「勇敢さ」と「辛抱強さ」を力とし、さらに絶対の信頼で結ばれた「友情」を宝として「友と朗らかに」、苦難の運命さえも不屈の創造のバネとしたのです。
思えば、戸田先生と私が学園・大学という創価教育の学びやの建設を構想したのも、70年前、先生の事業が最も苦しい時でした。学園は、まさに「師子の信念」から生まれたのです。
さまざまな制約があり、思うようにいかないことや悔しいこともあるでしょう。しかし、わが学園生は、だからこそ、大地のように、たくましく鍛錬を!
大海のように、大きな心で勉学を! 読書を!
太陽のように、明るい笑顔で友情を! 親孝行を! と申し上げ、私のメッセージといたします。
みんな健康第一で、「王者の山」を一歩一歩、登りゆく夏にしてください(大拍手)。

