創価学園入学式への池田先生のメッセージ

人類の平和と幸福の実現を求め、創立者・池田先生とゴルバチョフ氏は、何度も対話を重ねてきた(2007年6月、八王子市の東京牧口記念会館で)

 一、東京校は第54期生、関西校は第49期生の皆さん、春爛漫の創価教育の大城にようこそ! 本当におめでとう! 最優秀の英才を育み、送り出してくださったご家族の方々に、心から感謝とお祝いを申し上げます。
  
 私の心を心とする先生方、職員の方々、新年度も、よろしくお願いいたします。

“学友と共に挑戦の一歩を!”と誓った関西中の新入生(49期)。鮮やかな黄色の花が式典を彩る

ゴルバチョフ氏 人生の要とは自分自身の力と使命を信じること

 一、創価学園で学ぶということは、それ自体が、若き世界市民として地球社会の最高峰の知性と良識から大いなる期待を寄せられている誉れの青春であります。
  
 世界を分断した冷戦を終結させ、20世紀を変えたロシアのゴルバチョフ元ソ連大統領も、学園生との出会いを宝とし、皆の活躍を楽しみに見守られています。
  
 今日は、ゴルバチョフ氏との語らいを振り返りつつ、新入生の皆さんに「21世紀を変える英知のダイヤと輝け!」と申し上げたい。
  
 ゴルバチョフ氏と私の10代は、第2次世界大戦の最中でした。氏は家族を支えて働くため、2年間も学校に通えず、休学の期間が終わっても「学校にはもう行かない」と決めたといいます。
  
 その時、お母さんは何も言わず、苦労して、たくさんの本を集めてきてくれました。
  
 ゴルバチョフ少年は、その本を手に取ると思わず引き込まれます。次々と読み進める中で、「学びの心」が燃え上がり、気づけば学校へも戻り、向学と探究の青春を歩み始めていったのです。
  
 氏は、青年たちにエールを送っています。
 「人生の要とは何か。
 それは自分自身の力と使命を信じることにあります」と。
  
 わが学園生は一人ももれなく、ダイヤモンドのように、最も強く最も美しく光る生命を持っています。その自分自身の限りない「力」と「使命」を揺るぎなく信じていただきたいのです。
  
 落胆したり、自信をなくしたりする時もあるでしょう。しかしダイヤも、実は鉛筆の芯などと同じ炭素でできています。それが、大地の奥深くでの厳しい圧力や高温のもとで透明な眩い結晶となり、無数の原子が固く一つに結ばれて、比類なき宝石となっていくのです。皆さんの尊き貴き生命も同じです。

東京中の入学式(54期)。初々しい鳳雛(ほうすう)たちの門出を、保護者らが優しく見守る

時代を変える英知と負けじ魂のダイヤたれ

 一、さあ、今日から、壮大なる学問の世界に挑み、「英知のダイヤ」を!
  
 何があっても怯まず、何度でも立ち向かって、「負けじ魂のダイヤ」を!
  
 さらに、世界一の創価の学友たちと励まし合い、切磋琢磨して、「青春王者のダイヤ」を、思い切り輝き光らせていってください。
  
 そして、皆さんが担い立つ21世紀を、断じて「平和と人道の世紀」へと大転換していただきたいのです。
  
 終わりに、新緑あふれる「武蔵野の哲学者の道」「交野の一本道」を共に歩みゆく思いで、未来の一切を信じ、託しゆく学園生の健康と大成長を祈って――
  
 人類の
  希望と光れ
   学園生
  君の英知で
    平和の明日を
  
 と贈り、祝福のメッセージとします(大拍手)。

スクールカラーの旗を掲げた在校生が新入生を真心で歓迎(東京中で)