東西の創価学園生がこの夏、各種大会で活躍している。学園生たちは、互いに励まし合いながら、いくつもの困難の壁を乗り越え、全国の舞台を勝ち取った。ここでは、全国大会に出場した友の奮闘の様子と共に、大会までの栄光の軌跡を追う。
〈箏曲〉創立者との原点を力に
東西の創価高校箏曲部は7月31日と8月1日の両日、和歌山で行われた第45回「全国高等学校総合文化祭」の日本音楽部門に出場した。両校は、ひときわ輝く団結力で、一糸乱れぬ演奏を披露した。その絆の要こそ、創立者・池田先生との原点である。
2019年の入学式。創立者はメッセージで、箏曲部の友を励ました。国立劇場の前に植えられた満開の桜を写真に収めたことに触れ、同劇場では毎年のように同部が優秀校として演奏していると紹介したのだ。

このメッセージを読んだ部員は大奮起。それから4カ月後、全国大会の上位4校に入った東西の学園生が、国立劇場で見事な演奏を披露した。
当時1年生として出演していたのが、現在の3年生である。今でも、この原点を思い出すと胸が熱くなるという。部の輝く歴史は後輩たちにも共有され、部員全員が“創立者との共戦”の誇りに胸を張り、練習に励んできた。部員同士の対話の中で常に「何のため」に演奏するのかを問い掛けながら、人間性も磨いた。その中、技術面でも大きな変化が表れるようになった。

そして迎えた今大会。熱演の結果、東京高が全国1位の「文部科学大臣賞」を受賞し、優秀校東京公演の出演を決めた。今月下旬、日本一の演奏を再び国立劇場に響かせる。関西高も「優良賞」を獲得した。
〈ダンス〉負けじ魂の舞で日本一!

大阪で7月30日に開かれた「第11回全国中学校ダンスドリル選手権大会」。関西創価中学校のダンス部が出場し、“自分自身に絶対に負けない”との思いを演技に込めた。その結果、部門第1位、団体総合第3位の栄誉が贈られた。
同じく大阪で7月31日と8月1日に行われた「全国高等学校ダンスドリル選手権大会2021」には、東京・創価高校の男子・女子ダンス部、関西創価高校のダンス部が出場した。

東京高の男子ダンス部の今年度のテーマは「獅子よ 挑み耀け!」。大舞台に挑む心意気を、躍動感あふれるパフォーマンスで表現した。

東京高の女子ダンス部は「嵐から晴れ」をテーマにダンスを披露。苦難を突き抜け、希望をつかみ取る様子を五体で表した熱演に拍手が送られた。

関西高ダンス部のパフォーマンスは、コロナ禍で中止となった昨年夏の大会で披露する予定だったもの。
思うに任せない状況に悔しさをかみ締めた先輩がいた。皆が存分に練習ができず、十分にパフォーマンスが発揮できなかった……。
悩みは尽きなかったが、皆、諦めなかった。対話を重ねながら一人一人の心にある希望の火を確認した。そして“創立者・池田先生に勝利の舞を届ける!”と心を一つにしていった。
迎えたステージ。昨年と今年、2年分の思いが一つになった圧巻の演技で部門第1位、団体総合第1位の「文部科学大臣賞」に輝いた。
「負けじ魂ここにあり」と勝ち取った“日本一”の栄冠である。
〈書道〉「平和」の誓いを込めて

愛媛で先月25日に開催された第14回「全国高等学校書道パフォーマンス選手権大会」(書道パフォーマンス甲子園)に、東京高の書道部が出場。躍動感あふれる演技で、見る人に勇気と希望を届けた。
演技のテーマは、「平和の武器」。
――銃火に脅かされながらも、平和の未来を見つめ、必死に筆をとる人たち。やがて、その輪は一人また一人へ広がり、兵士たちの心をも変え、共に平和を目指して歩みを運ぶ。
創立者・池田先生の「芸術は、平和の武器」という信念を体現する決意を胸に、一文字一文字に力を込めた。
「銃声の止まない日々と 孤独な心のすぐ横で 私は筆を走らせる たとえ微力でも構わない 心と心を結ぶため 平和の武器を手に取って さあ闘士よ 立ち上がれ」――書き上げた作品には、学園生の「平和への誓い」が込められていた。
コロナ禍の影響もあり、一時は出場を諦めかけたこともあった。しかし、創立者をはじめ、多くの人の期待に応えようと、困難を飛躍のバネに変え、生徒たちは晴れの舞台に立つことができた。
大会当日、部長の野田明佳里さん(3年)は、全出場校を代表し、はつらつと選手宣誓をした。その中の言葉に「闇が深ければ深いほど、暁は近い」と。学園生が書いた「平和」の文字には、苦難をものともせず、前に進み続ける友の信念が光っている。

