“駅伝シーズン”が到来! 「大学三大駅伝」の開幕戦となる第33回「出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)」が10日、島根・出雲市内で行われ、出雲大社正面鳥居前から出雲ドーム前までの6区間45・1キロのコースに20チームが参加した。
初出場となった創価大学は2時間15分37秒で7位に入賞。3区のフィリップ・ムルワ選手(3年)が区間賞に輝いた。

午後0時5分、さわやかな秋空にスタートの号砲が鳴り響いた。
この日、出雲の正午の気温は30・5度。10月ながら、真夏を思わせるほどの「暑い」気象条件の中、「熱い」レースが幕を開けた。
初出場の予定だった昨年の大会はコロナ禍で中止に。創大は今年の箱根駅伝で準優勝と大躍進し、再び出雲路の切符を手にした。
2年分の思いをもって臨んだ大会では、1区・緒方貴典選手(3年)が11位で力走。続く2区・新家裕太郎選手(同)は順位を一つ上げ、ムルワ選手にタスキをつないだ。

3区は各校の主力が並ぶ注目区間。レース前、「区間記録を狙います」と意気込んでいたムルワ選手は、序盤からハイペースで攻めていく。2・8キロ付近で東海大学を抜くと、さらに加速。残り1キロ付近までに早稲田、青山学院など8人を抜き去り、首位と29秒差の2位に躍り出た。
区間記録まであと3秒に迫る熱走を見せたムルワ選手は、笑顔でタスキを4区・濱野将基選手(3年)へ。その後、7位に後退するが、5区・桑田大輔選手(2年)が6位との差を4秒に縮めた。

桑田選手は暑さに加え、強い向かい風が吹く厳しい条件の中、設定タイムを想定より20秒下げて対応。この判断が奏功し、「焦らずに自分の走りができました」と振り返った。
最長区間の6区に登場したのは、嶋津雄大選手(4年)。各校のエースに挑み、7番目でフィニッシュテープを切った。優勝は東京国際大学だった。

7位入賞の歴史を刻んだ創価大学。三上雄太主将(同)は「チームの現状を知ることのできた大会でした」と。そして「箱根駅伝まで2カ月半、この経験を日々の練習や試合に落とし込み、必ず総合3位以上を目指します」と決意を語った。

榎木和貴監督は力を込める。「目標の3位以上に対し、7位は最低限の結果です。後半の粘りや単独走への対応などの課題が残りましたが、新戦力の台頭という収穫もありました。『強さ』を求めるために地道に練習を積み重ね、他の強豪校に競り勝つ気持ちを持って、さらにチームを強化していきます」


