創価学園「英知の日」記念の集い 池田先生のメッセージ

学びの発見、創造、連帯を!

 尊き青春を乱舞する、わが学園生の皆さん、伝統光る「英知の日」、おめでとう!
 
 この一年、ずっと我慢や不自由が強いられる中、みんな、本当によく頑張ってくれました。
 
 一人一人、一段とたくましく成長した姿が、何よりもうれしい。
 
 今日は一点、「学びの『発見』と『創造』そして『連帯』を楽しく誇らかに!」とエールを送ります。
 
 「学びの発見と創造そして連帯」とは、創価教育の創始者である牧口・戸田両先生が、平和と正義の信念のゆえに弾圧された獄中でも貫き通された道であります。この精神を受け継ぎ、私自身たゆまず学び続けながら、皆さんの創立者として、世界へ対話を広げ、未来へ対談集を残してきました。

クーデンホーフ・カレルギー伯爵㊨と創立者・池田先生が2度目の会見。多岐にわたる語らいは後に、対談集『文明・西と東』に結実した(1970年10月、東京・信濃町の創価文化会館〈当時〉で)

 その出発点となったのが、「ヨーロッパ統合の父」と謳われるクーデンホーフ・カレルギー伯爵との対談集です。
 
 伯爵と初めてお会いして明年で55年。
 再会の折には創価学園で講演してくださり、「こんなに凜々しく瞳の輝く、素晴らしい学園生がいて、創立者は本当に幸せですね」と祝福していただいたことが懐かしく蘇ります。
 
 伯爵も、オーストリアの国際的な名門校に学んだ、ご自分の学園時代を、生涯、大切にされていました。しかし、親元を離れて、多様な友人と共同生活をする在学中は、決して楽しい日々とは思えなかった。馴染めずに苦労し、困難で窮屈に感ずることが多かったようです。悪戦苦闘を突き抜けてこそ、青春の飛躍があります。
 
 若き日の伯爵は、苦しい中でも、学びの「発見」の喜びをつかんでいきます。古典の文化に親しみつつ、卑しい生き方ではなく、歴史上の英雄たちの如く誇り高く生きることを心掛けていくのです。
 
 また、世界の名著に挑み、体系的に読破していくことを通し、どんな環境にも振り回されず、どんな人たちとも聡明に忍耐強く調和をとれる自分自身を「創造」していきました。さらに、良き学友と互いに啓発し、向上し合いながら、社会に貢献しゆく「連帯」を鍛え築いていったのです。
 
 伯爵は、やがて極悪のナチスと毅然と対峙し、戦争と分断に苦しんできたヨーロッパの平和統合に奔走していきます。そして、この伯爵が、世界平和の達成のため、21世紀の大指導者に成長してほしいと願い、英知の翼を託した鳳雛こそ、創価学園生なのです。

人間を強く自由にする知性を楽しく磨きゆけ

 伯爵は語っています。
 
 「知性は人間を強く、かつ偉大にし、自由にし、調和的にするものである」(鹿島守之助訳『クーデンホーフ・カレルギー全集3』鹿島研究所出版会)と。
 
 この知性の真髄の力を、いよいよ楽しく誇らかに磨き、発揮していってください。私は毎日、愛する学園生を一人一人、見守り、健康と前進を祈り抜いています。
 
 皆、親孝行を忘れずに! 青春を謳歌しゆく明朗王、努力王、勝利王たれ!(大拍手)

東京・創価高校の「英知の日」記念の集会(17日)。“父子の心”が脈打つ校歌「草木は萌ゆる」を斉唱。学園建設の誓いを込めて

関西創価中学校・高校の集い(同)。中学生代表による読書感想文の朗読や、高校生代表の英語スピーチ、勉学・読書・清掃などの“挑戦報告”が行われた

東京・創価中学校の実行委員の生徒が、オンラインで結んだ各教室の生徒に感謝を語る(同)。皆が「何のため」と自身に問いながら、進んできた

関西創価小学校の児童が、創立者への感謝を歌に乗せて(同)。互いの頑張りをたたえる「希望の未来チャレンジ」などに取り組んできた

自身の目標達成へ努力を重ねてきた東京創価小学校の児童(同)。式典では、日々の授業などで進めてきた「学びチャレンジ」の成果を発表

元気いっぱいの北海道・札幌創価幼稚園の集い(同)。“友達を大切に”“一緒に頑張る”“にこにこ笑顔”の三つに挑み、この日を迎えた