信仰体験 幸福勝利の凱歌

飛躍する設計事務所の社長 念願の自社ビルが完成

真面目に誠実に――。髙橋さん㊧と妻の喜美枝さん。新築のオフィスで

兵庫・常勝伊丹圏 髙橋新吾さん

 伊丹市の市街地、幹線道路に面した一角に、今年5月、8階建てのビルが建った。髙橋さん=伊丹中央支部、県長=が社長を務める建築設計事務所と自宅を兼ねた自社ビル。テナントや賃貸住居も全て埋まっている。

 社員は6人。大手の会社が発注する建物の設計監理を請け負う。

 「こんな境涯になれるなんて、想像もできませんでした」

 髙橋さんはゼネコンでの勤務を経て、父が経営する設計事務所で働いた後、2004年(平成16年)、新たに会社を設立。当初は、収入がない月もあった。節約のため、昼食も取らず徒歩で営業先を回り、夏は額に大粒の汗を浮かべ、冬はコートのない寒さに耐えた。

 経理を担当する妻・喜美枝さん=同、圏女性部長=は語る。

 「経理といっても、計算する売り上げがないんです。でも、絶対に信心で乗り越えようと、2人で誓いました」

 やっとの思いで取れる仕事は、1枚数万円の建築提案書や製図の下請けばかり。

 「苦しい日々でしたが、学会活動に励む中では、落ち込んでいる暇さえありませんでした」

 当時は、支部長。皆を励ますことで、“心”が強くなれた。一生懸命に、友の元へ歩いた。

 創業5年目、積み重ねた信頼が実を結ぶ。初めての元請けの受注が入った。建物全体の設計やデザインを統括する仕事で、待ち望んだ案件だった。丁寧な仕事ぶりに、継続して依頼が入るように。事業が伸展するほどに、夫妻の広布への志も強まった。共にリーダーとして仕事との両立に挑みながら、同志の励ましに力を尽くした。

 長男と長女は創価大学を卒業。次男は建築士となって髙橋さんの事務所を支える。

 「一歩も引かずに頑張ってきて本当によかった。振り返れば、広布に尽くした分、自身の境涯が広がっていたのだと実感します」

 真新しいオフィスに、夫妻の明るい笑顔が輝いた。