
第27回「全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」(主催=全国教室ディベート連盟)が6~8日、東京・豊島区の立教大学で開催された。これには、創価中学・高校(東京・小平市)の創価雄弁会、関西創価中学・高校(大阪・交野市)のディベート部が出場。東京中と関西中の“東西対決”となった「中学の部」の決勝では、関西中(神前拓望部長)が接戦を制し、9度目の出場で初優勝を飾った。

準優勝の東京中は、議論を分かりやすく伝えるコミュニケーション能力が評価され、「ベストコミュニケーション賞」を受賞。東京中で主将を務める東原正樹さんがベストディベーター賞に選ばれた。東京高・関西高は予選リーグで惜しくも敗れたが、健闘が光った。


中学決勝・夢の舞台で創価の“東西対決”
悲願の日本一!――第27回「全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」(6~8日、東京・立教大学)で、関西創価中学校のディベート部が初優勝を成し遂げた。東京中も大接戦の末、準優勝に輝いた。
関西中の栄冠までの道は、決して平たんではなかった。地区大会では、全国出場は決めたものの、強豪・灘中学校に敗れ、悔しさの残る結果に。その後も、他校と実戦練習を重ねたが、力を発揮できない日々が続いた。
全国大会を間近に控え、焦りや不安を覚える部員たち。そんな思いを打ち消すように、創立者・池田大作先生が創価学園生に寄せた随筆を、皆で何度も読んだ。「人を救うのも言論だ! 邪悪を砕くのも言論だ! 時代を動かすのも言論だ! そういう雄弁の王者を、さらに正義の強力なる言論人を、わが秀才の集まりである創価の学園から陸続と育てたいのだ。これが、私の夢の一つであった」
創立者の期待を胸に、猛練習を重ねた。その中で、議論の構成なども一から作成し直した。ディベートは、事前の準備が勝敗を大きく左右する。論理の立て直しに伴い、膨大な資料の収集が必要となった。
そんな時、選手たちを陰ながら支えたのが、大会に出場しない部員だった。
議論のための情報を細かく精査し、選手が万全の状態で試合に臨めるよう資料を準備。全員が一丸となって大会を目指した。
迎えた全国大会(中学の部)の論題は「日本は中学生以下のスマートフォンなどの使用を禁止すべきである。是か非か」。3校がしのぎを削る予選リーグでは、くしくも東京・創価中学校と同じグループに。これまで9度、日本一に輝いてきた東京中は明快な論理を展開し、関西中に勝利。1位通過で決勝トーナメントへ進んだ。
一方、東京中に惜敗した関西中は2位通過で決勝トーナメントへ。地区大会で敗れた灘中学校をはじめ、3校を撃破し、決勝へ進出。東京中も勝ち上がり、日本一を決める夢の舞台で、初の“東西対決”が実現した。

関西中は論題の肯定側、東京中は否定側に決まり、論戦の火蓋が切られた。
一進一退の攻防。手に汗握る白熱した議論が交わされ、終了後は、しばし拍手が鳴りやまなかった。
迎えた結果発表。5人の審判の判定の結果、3対2で関西中が大激戦を制した。
東京中の友も悔しさをにじませながらも「史上初の“東西対決”ができ、全力を尽くせた今までで一番いい試合でした」と晴れやかだった。
関西中の友も口々に、喜びを語った。そして「今後も言論の力を磨きます」「ひたすら勝利を目指し、皆で努力を重ねることができた、かけがえのない時間でした」と。
創立者の言葉を抱き締めながら、夢の舞台で正々堂々と論戦を交わした東西の学園生。民衆を守りゆく「雄弁の王者」へ、創価の若鷲たちが力強く飛翔する。

