創価学園卒業式への池田先生のメッセージ

探究と創造の負けない青春 失敗も「次なる勝利の始まり」と

ジャズ界の巨匠ウェイン・ショーター氏(右から2人目)と池田先生(2006年10月、東京牧口記念会館で)。同氏、ハービー・ハンコック氏(右端)との語らいは、てい談集『ジャズと仏法、そして人生を語る』に結実した

 一、負けない青春は、なんと誇らしいことでしょうか。苦難に勇んで挑む若き生命は、尊貴なる光を放っています。
 
 コロナ禍をはじめ、かつてない試練を凜然と勝ち越えてくれた、わが卒業生の皆さん、誉れ高き凱歌の門出、誠におめでとう!
 
 保護者の方々には、いつにもまして、言い知れぬご苦労が重なる中、守り、支え続けていただき、本当にありがとうございました。
 
 一、きょうは、愛する皆さんへのはなむけとして、「地球民族の新たな前進の先頭に立て!」と申し上げたい。
 
 創価教育の父・牧口常三郎先生と戸田城聖先生が、人生の金の思い出とされていたことがあります。100年ほど前、あの大科学者アインシュタイン博士の「相対性理論」等の講演を、直接、聞き、学ばれたことです。
 
 アインシュタイン博士は「真理と知識の探究は人間の最高の資質のひとつである」(林一訳『アインシュタインは語る』、大月書店)と語られていました。創価学園の「真理を求め、価値を創造する」精神と一致しており、牧口・戸田両先生も、学園生の探究と創造の伝統を、何より喜び、見守ってくださっているでしょう。
 
 アインシュタイン博士が生涯の願望とされたことは、戦争などの野蛮さを永久に追放する「人類の歴史上最大の一歩」(O・ネーサン、H・ノーデン編、金子敏男訳『アインシュタイン平和書簡1』、みすず書房)を、我らの時代に踏み出したいということでありました。これは、博士と同じ思いで行動してきたロートブラット博士等、私が対談した世界の知性の共有する悲願であり、そして未だ果たせぬ夢であります。
 
 だからこそ、わが創価後継の皆さんが、いよいよ英知を磨き、力をつけ、世界市民の友情と連帯を広げながら、地球民族の新たな幸福と平和の前進をリードしていっていただきたいのであります。
 
 一、私が敬愛してやまぬ友人で、ジャズ界の巨匠と輝くウェイン・ショーターさんと語り合った言葉を、「負けじ魂」光る学園生に伝えたい。すなわち、「失敗は終わりではない」「それは、次の勝利の始まりである」と。そして、卒業生一人一人の偉大な希望の未来を心に描きつつ、一首を贈ります。
 
 黄金の
  生命の絆の
   君と我
   勇気の行進
    勝利の舞を
 
 わが宝と仰ぐ全学園生とご家族に、健康あれ! 幸福あれ! 栄光あれ!(大拍手)