明年のシード権獲得 2区・葛西選手が区間新
秩父宮賜杯第54回全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)が6日に行われ、名古屋市・熱田神宮から三重県伊勢市・伊勢神宮までの8区間106.8キロのコースに27チームが参加した。
初出場の創価大学は5時間12分10秒で5位に入賞。明年のシード権を獲得した。
2区の葛西潤選手(4年)が区間新記録で区間賞に輝いた。

さわやかな青と白の「創価大学」ののぼりが、沿道にはためく。
全日本大学駅伝通算101校目の出場チームとなった創大は、4日に発表されたエントリー選手から6区と8区を当日変更。激しいメンバー争いを勝ち抜いた8人が“伊勢路”の舞台で躍動した。
午前8時5分、澄みわたる名古屋の秋空にスタートの号砲が鳴り響いた。
創大の1区を任されたのは、横山魁哉選手(4年)。6月の地区選考会で好走し、全日本の初切符をつかむ立役者となった一人だ。


創部50周年の創価大学駅伝部 初出場の伊勢路で力走
区間新記録が出るレース展開の中、横山選手は終始、上位集団で冷静に好位置をキープ。首位と19秒差の5位で「大学三大駅伝」デビューを飾り、最高の流れをつくって2区の葛西選手にタスキを渡した。
愛知から三重に入る2区は、強豪大学の監督が前半のポイントに挙げた注目区間。各校のスピードランナーたちと出走した葛西選手は、快調なペースでレースに入り、3キロ手前で首位に躍り出た。
そして「目標通りに走ることができた」と語ったように、終盤まで先頭を維持する。
最大の見せ場が訪れたのは中継所手前。執念のラストスパートで駒澤大学をかわし、トップで3区の吉田凌選手(2年)へ。葛西選手のタイムは、従来の区間記録を5秒上回る31分12秒。区間新の快走で、チームに大きな勢いを与えた。

前半の最長区間である3区を託された吉田選手は最後まで粘り抜き、4位で4区・石丸惇那選手(1年)にタスキリレー。
今大会チーム唯一の1年生は、苦しみながらも懸命の走りでシード圏内をキープし、創大は6位で前半を折り返した。
続く5区には、嶋津雄大選手(4年)が登場した。出走直後に青山学院大学に追い付くと、競り合いながらぐんぐん加速。抜きつ抜かれつの熾烈なレースを区間3位で力走し、チームを4位に押し上げた。

6区の新家裕太郎選手(同)は、強い日差しに耐えながら最高学年の意地を見せ、5位で中継所へ。区間順位は7位だった。
7区は各大学がエースを投入する最重要区間。創大はフィリップ・ムルワ選手(同)がやや離れた上位を追走し、着実にタイム差を詰めていく。区間3位の激走で、4位までわずか1秒差に迫る5位で最終8区にタスキをつないだ。
アンカーは、当日のエントリー変更で三大駅伝初出場となった山森龍暁選手(3年)。共に切磋琢磨してきた同期やチームメートの思いを背負い、全日本最長19.7キロのコースに挑んだ。
途中から単独走が続くも、最後まで落ち着いて走った山森選手。3年ぶりの有観客となり、温かな拍手が送られる中、堂々の5位でフィニッシュテープを切った。駒澤大学が大会新記録で優勝した。
レースを振り返り、榎木和貴監督は語る。
「4年生が良い流れをつくり、チームとして想定タイムに肉薄するレース運びができました。目標の3位以上には届きませんでしたが、初挑戦で5位という結果を自信にして、箱根駅伝の総合優勝を目指し、これからの2カ月で、上位校と勝負できる力を磨いていきます」
初出場校のシード権獲得は史上4校目。創大駅伝部は創部50周年にふさわしい、新たな歴史を打ち立てた。


