燃やせ! 「聖教魂」 勝利の凱歌高らかに
小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は4月20日、本紙創刊70周年を記念して、「聖教」編を掲載する。次回の第28巻は5月8日付2面の予定。挿絵は内田健一郎。
希望を紡ぎ出す“人間の機関紙”

伸一は、かつて戸田城聖が、しばしば「聖教新聞を日本中、世界中の人に読ませたい」と語っていたことが、心に焼きついていた。
その言葉を、必ず実現せねばならないと誓ってきた。そして、そのために、いかにして、聖教新聞を世界的な新聞に育て上げようかと、常に心を砕いていたのである。(中略)
「聖教は学会の機関紙だが、私は、同時に、人間の機関紙という考え方をしているんだよ」
「人間の機関紙ですか」
「そう。人間の機関紙だよ。一般の新聞は、暗いニュースに満ちている。それは、社会の反映だから仕方がないにしても、そうした社会のなかで、人びとが、どうすれば希望を見いだしていけるのか、歓喜をわき立たせていくことができるのかを考え、編集している新聞はない。また、人生の苦悩に対して、いかに挑み、克服していくかを教えている新聞もない。しかし、社会が最も必要としているのは、そういう新聞だ。
それをやっているのは、聖教新聞だけじゃないか。そう考えていけば、聖教新聞はまさに“人間の機関紙”という以外にないじゃないか」(中略)
「聖教新聞の使命は極めて大きい。学会にあっては、信心の教科書であり、同志と同志の心をつなぐ絆になっていかなくてはならない。また、社会にあっては、不正、邪悪と戦い、仏法の慈光をもって、まことの人間の道を照らし、万人に幸福と平和への道を指し示していく使命がある。軍部政府と命をかけて戦った、牧口先生、戸田先生の精神を受け継ぐ学会の機関紙以外に、本当の平和の道は語れないからね」
(第1巻「慈光」の章、245~246ページ)
師の生命脈打つ“同志への手紙”

事務所といっても、戦時中、レンズの製作をしていた町工場の建物であった。部屋はがらんとして、すきま風が吹き抜け、作業にあたるメンバーは、皆、寒さに震えた。
この編集室で戸田は、すさまじい勢いで健筆を振るった。
創刊号では、一面トップの論文「信念とは何ぞや?」を書いた。さらに、妙悟空というペンネームを使って、小説『人間革命』の連載を開始したのをはじめ、コラムの「寸鉄」などを、執筆していった。
創刊から一カ月余りが過ぎたころ、大東商工は市ケ谷駅近くの市ケ谷ビルの二階に移り、聖教新聞の編集室も、同じ建物に移転した。机を二つ並べると、いっぱいという狭い部屋であった。山本伸一も創刊以来、懸命に筆を執った。幹部の人物紹介の記事も書けば、バイロン、べートーベン、ナポレオンなど、歴史上の人物の生き方を論じる原稿も書いた。
(中略)
時には、誤報や悪質なデマを打ち破るために、自ら勇んで正義の論陣を張った。広宣流布は言論戦である。横行する「悪」を見ながら、沈黙し、放置しておけば、「悪」は際限なく増長する。「正義」なれば、断じて「悪」と戦い、勝たねばならない。「正義」が敗北すれば、民衆が深い闇の底に突き落とされることになる。
戸田城聖も、山本伸一も、“聖教新聞は、わが愛する同志への手紙だ”との思いで、生命を刻みつけるように、原稿を書きつづっていった。
(第14巻「大河」の章、362~364ページ)
配達員さんの労苦に敬意と感謝

伸一は、(中略)“配達員の皆さんが、どれほど大変な思いをしているか”と、心を痛めながら、真剣に、御本尊に無事故を祈ったのである。奈良の幹部会で彼は、「聖教新聞」の使命についても言及していった。
「『聖教新聞』には、仏法哲理がわかりやすく説かれ、広宣流布の意義、信心の指導、教学の解説等が、掲載されております。それは、人生観、生命観、宇宙観を究め、仏法の法理を人生・生活に具現していくための、まことに重要な手引となる機関紙です。
また、日蓮大聖人の法門を実践しゆく規範であり、大切な人生行路の指針といえます。
その機関紙を、朝早く、寒風の日も、雪の日も、黙々と配達してくださる“無冠の友”に、私は最大の敬意と感謝の念をもって讃嘆したいのであります」
(中略)
「広宣流布のために人一倍苦労されている方々が、幸せになれないわけがありません。必ず、大福運の人、大長者となります。長い目で見てください。仏法の因果の理法には、断じて噓などありません!」
真の仏法者とは、自らが本来、仏であると確信している人である。一切衆生が仏であると信じる人である。仏法で説く、生命の因果の法則を、わが信念としている人である。
それゆえに何ものをも恐れず、それゆえに人を敬い、それゆえに喜々として労苦を担い、信心は即人格となって輝きを放つ。
(第26巻「勇将」の章、311~312ページ)

「聖教新聞 師弟凱歌の碑」より
広宣流布とは言論戦である。
仏法の真実と正義を叫ぶ、
雄渾なる言葉の力なくして、
創価の前進はない。

